住宅地として人気の地で、カフェや雑貨店などの出店も著しく、独自の文化を形成している堀江地区でのテナントビルの設計。
狭小な変形敷地だが、角地で視認性が高く、充分街のランドマークになり得る可能性を持つ。プレートラーメン構造により、内部には柱梁型が一切出張ることのないプレーンな空間とする。外壁の構造体にランダムに且つ合理的に穿かれた開口は店舗と外部を緩やかにつなぐ。開口部は夜、躯体が闇に同化し、ランダムに散らばった開口部から各階の店の情景が舞台のように浮かび上がる。
各階の窓の中では時間と共に様々なシーンが繰り広げられ、客はそのシーンの一役を担い、このビルはその舞台装置となる。