1・2階に店舗、基準階に賃貸住居が入る複合ビルである。
京都の中心部に位置し、間口6mに対し奥行きは30mと、いわゆるウナギの寝床の敷地であった。
江戸時代、京都では家の間口幅によって決まる間口税と言われる税金が掛けられた。そのため、間口は狭いが奥行きは長い敷地が多く、ここもそれに倣う敷地であった。
建築主はこの地に代々住み継がれてきた一族である。その歴史と建築主の人柄を鑑み、この地に建築するにあたっては品位のある立ち姿やデザインをすることが重要であった。そのことから、形態や色彩は奇抜さに捉われず、普遍的で均整の取れたデザインとし、建築主はもちろん、住み手や地域から親しまれる建築を目指した。
また、収益事業という物件の特質上、賃貸住居の間取りや専有面積はマーケットやニーズの調査を基に設計されている。